ゼーレ「はぁ…はぁ……」

???「あなたは、とても…とても…息を切らしています。少し休んではどうでしょう」

ゼーレ「ッ……あんたに会うためだけに走って来たのよ……全速力でね」

???「そう…ですか。私はとても…とても…愛されていたのですね」

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???「私は悲しい。夢は醒めなければならない。私は嬉しい。ようやく彼を起こすことが出来る。私は悲しい。彼が起きた先に何がある。私は嬉しい。ようやくあの娘たちに逢える」

???「さぁ、最後のお話をしましょうか」

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ゼーレ「ぐ……」

涙玉「無駄です。ここから先、私はあなたを一歩も通さない」

ゼーレ「他の奴とは桁が違う……」

涙玉「ええ。私は最初に溢れ落ちた涙。他の者とは訳が違う。私は涙玉。妃冠(ティアラ)を守る者。先の行きたければ、我がガラスの道を踏み越えよ」

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(突然、雪や木々が深紅に染まる)
ゼーレ「な、なに!?」
蜂蜜「クソ…このタイミングでか……」
(ガサガサと音がして赤と青が入り乱れた少女の様な少年が現れる)
ゼーレ「何あれ……」
蜂蜜「あれは涙玉だよ…最悪だ」
ゼーレ「るいぎょく……?」

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夢……硝子玉の夢
青く、蒼く、碧く輝く硝子細工
命を知らぬ冷たい青は
世界のどこかで夢を見る
白い星と碧い空
金の月と銀の雪
赫焼く日の出は永久に来ず
ガラスの人形が踊り出す
砕けた星の杯よ
青い夢を私に見せて
紅い終わりが来ぬように

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夢……泡沫の夢
一重に消える鮮やかで切ない物語
待ち人は来るのでしょうか
砕けた星の盃はもう私に魔法を
かけてはくれないでしょう
それでも願うのです
それが夢だとしても願うのです
それがあの娘が残した意思ならば
涙を飲んで待つのです
この物語の結末を

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