○ カミナリの子供:‐こども

愛媛県宇摩郡土居町長津野田(四国中央市土居町野田)に伝わる。昔、悪戯者の雷の子どもがある時、うっかり古井戸に落ちてしまった。農夫が井戸の蓋を閉めると中から雷の子がしきりに謝る。そこで蓋を取ってやると雷の子は空へ飛んで行ったという。

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○ 隠神刑部:いぬがみぎょうぶ

愛媛県松山市を舞台とした講談などに登場する。八百八匹の眷属を従え松山城を守護するとされる化け狸の親玉。『松山騒動』をもとにした講談の主要登場人物であり、作品によって善玉にも悪玉にもなる。

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○ 竹の子童子:たけ‐こどうじ

香川県高松市周辺の民話。貧しい翁が掘った筍が喋り出した。ある姫様が病にかかり、筍を食べれば治るとして筍を探していた。筍は翁に姫の元へ連れて行ってくれと言い、姫は筍を食べて快癒した。翁は多くの褒美をもらったという。

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○ 裾を食う杭:すそ‐く‐くい

徳島県徳島市福島、慈光寺の話で『阿州奇事雑話』巻之一にある。寺の裏手の墓地の空き地で夜一人で杭を打ち込むと必ず裾に打ち込んでしまうという。肝試しに賭けをした若者たちの一人が褌一丁で行ってみると、褌に打ち込んでしまったという。

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○ 茶袋:ちゃぶくろ

香川県丸亀市葭町。葭町の正玄寺にあった槐の大木には夜、茶袋が下がることがあるという。畳屋町(富屋町か)の会所の松にもこれが下がるとされ、目撃者は4、5日寝込んでしまったという

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○ 小便呑み:しょうべんの‐

香川県多度郡琴南町美合(現中多度郡まんのう町美合地区)に伝わる。山小屋の外に置いた小便たんご(簡易便器)の小便を空にするという妖怪で、狼の仕業と言われる。

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○ 夜行さん:やぎょう‐

徳島県三好郡山城谷村や政友(三好市山城町地区)では節分の夜にヤギョウサンが来て、食事のおかずの話をしていると毛の生えた手を出してくるという。高知県高岡郡越知町野老山では錫杖を鳴らしながら夜道を通るヤギョーという妖怪がいるされる。

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○ おなつ蛸:‐だこ

愛媛県東宇和郡明浜町俵津(西予市明浜町俵津)の話。おなつという娘が大蛸の足を一日一本ずつ切り取り持ち帰っていた。とうとう最後の一本を切り取ろうとすると蛸はその足でおなつを巻き取ると海中へ引きずり込んだという。

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○ 夜雀:よすずめ

高知県幡多郡田ノ口村(幡多郡黒潮町及四万十市中村)や富山村常六(四万十市常六)などに伝わる。夜の山道を歩いていると鳥のさえずりのような音がついてくる。田ノ口村ではこれに憑かれると不吉なことがあるとされた。

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