「さよなら、はる。いつかまた会えるといいな」
「さよなら、りん」
はるは胸がキュッと痛くなりました。こんなことは初めてです。見ればりんの両目からはポロポロと水が溢れています。
「りん、水が」
「平気だ、泣いてなんかねぇよ」
りんは涙を振り払って笑顔をみせました。

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「ありがとう、りん。おかげで海へ帰れる」
「もうお別れなんて寂しいな。はるは海に仲間がいるのか?」
「いない。りんも一緒に海へ来ないか?」
「いや、オレはこの広い世界を旅してもっと仲間を探してみたいと思う」
りんの瞳は赤いサンゴのようにキラキラと輝いていました。

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