『エルム街の悪夢2 フレディの復讐』
今度は少年が主人公で、自分の心と身体が徐々にフレディに乗っ取られる恐怖が描かれる。ただし夢の中だけでなく現実世界でフレディが暴れまわることで恐怖は半減し、やたらと男の裸ばかり見せられるというかなり困った続編になってしまった。

0 19


『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
往年のバスターズとその孫たち。過去と未来が邂逅して生み出される最高の現在。しかも第1・2作目の監督の息子が今作の監督を務めている。現実の映画製作も劇中の幽霊退治も子どもたちが頑張っているジュブナイルだと言える。夢に溢れた幸福な映画だ。

0 30


『音楽』
人生の初期衝動=青春=バンドで鳴らした最初の音。その良さを言葉では表現できない。だから音楽を演奏し、映画を作るんだぜ。ピンとこない人は多い映画かもしれない。だが刺さる人には深く深く刺さる。この作品が心をえぐる人生であることに感謝したくなる映画だ。

2 50


『007 私を愛したスパイ』
ロジャー・ムーア自身のお気に入り作。強く美しいボンド・ガール、世界を滅ぼして海の世界を作ろうとする敵のボス、殺しても死なない刺客ジョーズ、オープニングのスキー・アクション、ロータス・エスプリのカー・チェイスなど中身がパンパンに詰まった大娯楽作。

1 44


『ウィッチャー 狼の悪夢』
ヴェセミルの若き日を描く前日譚。自らの過去の愚行が悲劇の連鎖を生むという哀しき運命の因果。必要悪としての変異体の存在、異種族同士の争い、政治的な陰謀など、これぞ『ウィッチャー』の世界というべき大満足のスピンオフ。

0 10


『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』
EP2と3の間の物語で、アナキンがアソーカという少女を弟子に持ちドゥークー伯爵の陰謀に立ち向かう。アナキンがジェダイらしく活躍しているところを見られるだけで嬉しいし、アソーカがライトセーバーを座頭市のように持つのがカッコいい。

0 18


『スター・ウォーズ:EP1 ファントム・メナス』
キリストの化身たるアナキンが選ばれし者としてジェダイの世界に足を踏み入れるまでが描かれる。だが時折現れる暗い予兆が来たるべき恐ろしい運命を観客に意識させる。映画史上最大のお祭り騒ぎだった劇場公開時の盛り上がりが忘れられない。

0 34


『愛してるって言っておくね』
鉛筆のような線で描かれた、セリフのない12分のアニメ。観客が物語を読み取る必要があるからこそ胸を揺さぶられる。痛ましい事件で娘を失った両親。苦しみと悲しみは消えない。それでも人生は続く。だから、楽しかった思い出も決して消えはしないのだ。

0 37


『ザ・ライダー』
ロデオで大怪我を負った男の再生の物語。馬に対する愛情やロデオに対する未練はありつつ、怪我の後遺症や心に残る恐怖も拭えない。周りからの期待も負担になり、新しい一歩を踏み出すには勇気がいる。自分の生き方を決めるまでの時間とはかくも静謐なものなのか。

4 71


『ブルータル・ジャスティス』
不寛容な社会と不適切な報酬のせいで悪事に手を出すことを決める警官とその相棒。ゆったりとしたテンポ、リアルな会話、乾いたユーモア、突発的な暴力が独特の世界を作り出している。まるで70年代のような敗者の空気が漂う極上の犯罪映画だ。

1 39

『クロース』鑑賞。伝統と称して理由も分からないまま争い続けていた住人達を結んだのは偶然から始まった2人の行動と子供達の笑顔。ジェスパーとクロースの友情とその結末に顔をくっちゃくちゃにして泣いた。とても希望の物語だった。最高。

2 8


『エルム街の悪夢』
夢で起こった出来事が現実に反映されるという秀逸な設定。良くないとされる夢オチを軸に物語を構成する逆転の発想。夢からは決して逃れられないという恐怖。周りから信じてもらえない主人公が孤立無援で戦う不安感。そして映画史に残るモンスター、フレディの造形。

0 46


『さらば愛しきアウトロー』
ロバート・レッドフォードの引退作品。主人公は紳士的な物腰で誰も傷つけずに銀行強盗を繰り返す男。笑顔を絶やさず、退屈を嫌い、人生を楽しむ姿はまさにレッドフォードが演じてきたアウトロー達そのもの。最後までカッコよかった彼に拍手を送りたい。

7 116


『ワイルド・スピード:スーパー・コンボ』
小学生でも分かる英単語を並べた頭の悪い邦題がグッド。ポスターから想像する通りの映画で、相性最悪の2人が憎まれ口を叩きながら相性最高のアクションで全てをぶっ飛ばす。パンプアップした筋肉と剃り上げたスキンヘッドのコンボは世界を救う!

2 35


『アイリッシュマン』
マフィアの一員だった男が人生の終わりに半生を振り返る。つまりスコセッシやデ・ニーロたちの映画人生の総括なのだ。老いと死に向き合った物語は今の彼らだからこそ描けたものだろう。一瞬で過ぎる3時間半、そして永遠に続いて欲しい3時間半。至福の時間だった。

18 133


『ファースト・マン』
幼い娘を亡くした事実をずっと克服できなかった男が、月に降り立つことで悲しみを乗り越えるまでの物語。それがたまたま人類初の月面着陸だっただけなのだ。派手な英雄譚ではない極めて内省的な物語が静かに着地する優しいラスト・シーンに胸を打たれた。

1 64