【でも、あたしは、本の悪魔に、その時、魂を売ってしまった。
その時から、本の虫が、私の躰に巣喰い、いまや骨の髄まで喰い荒らしている、ハッハッハ……。】

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『ミステリー』(61)
『黒の試走車』
梶山季之著、岩波現代文庫
1960年代初頭自動車が大衆の欲望の象徴へと踊り出ようとする時代。自動車メーカーの熾烈な新車開発競争の現場で朝比奈豊が異動した部署は企画PR課その仕事とは産業スパイであった。友人の不審な死の真相と社の内外に飛び交う秘密情報。

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