20世紀の終わり、ひたすら地平線とにらめっこするような旅。「アノ子、マタ絵描イテルワ」と当方を見守っていた老夫婦、僕はいまも絵を描いてます。

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私の家からは横浜の海が見える。いや、見えない。みなとみらいのビル群と橋が見えるだけ。大晦日には除夜の鐘の代わりに停泊中の客船が一斉に汽笛を鳴らす。絵に描いたような横浜。私は横浜が嫌いだ。私が好きなのは高野文子の『春ノ波止場デウマレタ鳥ハ』の昔々の横浜の海。

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