まるで 目まぐるしく繰り返される生き死にの悲しみが 咽喉もとまで こみあげているように見えるのだ。淋しい 光りの粒々だったね──
I was born/吉野弘


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桃栗三年柿八年、柚子は9年で花が咲くと先生はよく申されました。
われらは先生が丹精込めて育ててくださった柚子の花でございます。それでもお斬りになりますか。
柚子の花咲く/葉室麟

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サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒さかさに手を垂れて
汚れた木綿の屋根のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


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