歩き続ける。歩き慣れているはずなのに、何故か感覚がぼやけている。

何度も、何度も、歩いた森のはずなのに。まるで、見知らぬ土地に来たような感覚で。

しかし、進まなければ道は開けない。

僕はまた一歩一歩、木々の揺れる音に耳を傾けながら歩み出す。

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──深夜。

独りの夜は慣れたつもりだった。でも、何かが抜けている。そんな気がしてならない。

そんな空虚な感情を優しく包み込むように、満天の星空が夜空を煌びやかに彩っている。

「…たまには一人のんびりも、良いか」

前向きに考えていく。

イーラ

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──迷った。

久々の感覚だった。こんな事、今までなかったのに。
セレナともはぐれ、ただただ彷徨い続ける。昔の僕なら、間違いなく慌てているだろう。

頼もしくなった彼女を少し心配しつつ、僕は森の中を歩き続けるのであった。

イーラ

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イーラ(Era)
出典:灰凛のラストイーラ(#灰凛LE)
数千年の時を生きる、人離れした存在「アバター」と呼ばれる青年。
セレナという女性と荒廃した地球を旅しており、彼女の歌に合わせて篠笛を奏でる。
沢山の素敵な景色を結晶の形に遺すことを目的としている。

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イーラは膝枕。しかも膝枕しながら頭ナデナデ。イエス慈愛。

セレナは肩貸し。放置プレーするともれなく子守唄と髪の毛もふもふ。イエス慈愛。

慈愛代表CP、灰凛LEのイラセレことイーラ×セレナです。よろしくお願いします。

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続いて灰凛のラストイーラ 2nd chronicle「Cantabile」。もう一人の主人公格、セレナのご紹介。

──私の旅は終わらないもの。これからも、ずっと。

──私の傍に、"文明(イーラ)"がある限り。

──歌いながら楽しく沢山の景色、見ようね!

セレナ

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─凛とした、宝石のように綺麗な詩声。

─淡い翠色の、きれいな目。

「「……あ」」

─そう、彼女は。

─そう、あの人は。

<再会>

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─よくねむれた。

─病院にいた頃は、こんなことなかったのに。

─つい、嬉しくなって口ずさむ。

─昔昔、よく歌っていた詩を。

─こんなに朝がすきになったのは、はじめてで。

─とっても、うれしい。

<嬉しい詩>セレナ

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─くらくて、よくわからない。

─わたしはなぜか、動物達に好かれるようで。お話ができる。

─遠くないところに居ると、リスさんがおしえてくれた。

─お礼をしたわたしは、明るくなってから探そうとおもった。

─あんしんして、水辺でうとうとして。眠りについた。

<小夜>

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2人目のキャラを作りました。
部門は「創作部門」。コスは無理!

メーカーさんは再び「ななめーかー」さん。初のイトスからアバターへ転生した、薄幸の女の子。

名前は一応セレナとありますが、この名前を名乗るのは、イーラと再開してから。

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─気がついたら、水辺にいた。

─ここはどこだろう?

─でも、ひとつおぼえてる。

─わたしの手をひいてくれた、人。

─きれいなうすみどりの目をした、手をひいてくれた人。

─わたしは、探すことにした。

<儚くも青い小夜曲>

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─"彼女"は段々と薄れてきた。

─そして、儚く消えていく。

─"アリガトウ"。そう、口を動かして。

─"ヤスラカニ"。そう、祈って。

─そして、煌々と輝く星空の中を、流れ星が消えていく。

─これは、哀しくも優しい物語。

<仄暗い水底のイトス・終>

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「…おいで」

─おもむろに影の腕を掴み、湖を飛び上がる。影は驚く。しかし、離しはしなかった。

─綺麗な景色を見せたい。その一心で飛び出せばそこには、いつも見る満天の星空があった。

─そこには、虚ろな影はなく。

─目を輝かせる、"彼女"が居た。

<仄暗い水底のイトス7>

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─行く年が過ぎ。彼女は病院の中で命を絶った。

─奇病で。外にも出れず。恋焦がれる湖が見える屋上から、飛び降りて。

─憎しみも持たず。ただ、湖に入ってみたかった。その想いを胸に、イトスとなった。

─それが、影の過去。

<仄暗い水底をイトス6>

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─すると、いつの間にか景色が変わった。

─「瞳の力」を使って過去を視てるんじゃない。影が見せている。

─こんな事は初めてだった。

─まるで、"視て"と言わんばかりに。

─"彼女"の過去は、始まった。

<仄暗い水底のイトス4>

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─君は、何故誰も傷つけないの?

─君は、何故そこに居るの?

─君は、イトスなの?

─問いに影は答えない。

─ただ、虚ろに、虚ろに、俺の目を見るだけだった。

<仄暗い水底のイトス3>

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─今までのイトスとは全く違う、影。

─破壊も、侵食も、汚染もしない。

─ただ鎖に繋がれ、仄暗い水底に座っている。

─水の中では息が出来る。俺は、しばらく様子を見続けていた。

<仄暗い水底のイトス2>

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─水底を目指し、泳ぐ。

─ふと"音"や"声"が聴こえてくる。

─近い。近い。泳ぐ。

─たどり着いた先に居たのは、手枷と足枷を着けられ沈められていた、少女の影だった。

<仄暗い水底のイトス>

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