「狼さん、わたしもう行き場がないの。あなたになら食べられてもいいわ。できれば一思いにお願い…」
「何を言うておる。我は精霊。人は食わん」


AI illustration by nijijourney

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ウェスティリアの水の神殿
水を神聖なものとして崇める水の神殿では、満月の夜に巫女たちが水の神に祈りを捧げる。長き祝詞がしめやかに終わると、聖なる水盆から清らかな水が溢れ出す。それは神殿の前庭を満たすほどの量。→


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水晶クラスタの妖精
ほんとうはね、きょうだいがいっぱいいたの。いくつも水晶の柱がつらなって、みんなでひとつ。でもいつのまにかひとりぼっちになっちゃった。いつかまたみんなに会えるかな。

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南国に涼を呼ぶ儀式
巫女が清められた水舞台で神降ろしの舞を舞うと、彼女の手は、足は、周囲は、瞬く間に凍てつく。冬と氷と死を司る神の降臨に、見る者は皆、畏怖の念から膝をつき首を垂れる。灼熱の大地を生き抜くには、畏れてもなおこの力が必要なのだ。

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彼の博物学者の机はいつだって散らかっている。遠方まで旅をして得た貴重な薬草も、そこの裏山から採ってきた枝も、彼にとっては等しく宝物で、だから机からこぼれ落ちそうなそれらを見て、秘書は溜息を吐くしかない。手を出してはいけない領域のだ。

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鉱石と樹脂をその身体の奥深くまで融合させた少女は、矮小なる人の身には永遠に等しい時を生きる。彼女の瞳は宇宙の変化をただひたすら映しゆくが、時折感情のようなものが過ぎるようだ。


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