今回の舞台の失敗の最大の原因は照手姫の配役であろう。役者としての気や精神性が表現出来ない新吾に此の役は無理である。初演の福助にしろ笑也にしろ、照手姫として絶妙な舞台を見せてくれた。舞台は結局役者が全てと云う他ない。あと4回チケット買ったがもう観たくない。

0 4

今回の舞台の失敗の第一は照手姫のミスキャストだが、照手の台本其の物にも難点がある。近松屋の台詞の中、照手が女中として一生懸命働くと云うのだが、具体的な動きが一切ない。仕事振りや女郎達のイジメを具体的に描くのはドラマ作りのイロハである。台詞で語るのは論外。

0 2

第三幕は餓鬼病の苦行が物語を盛り上げるが、再生が熊野詣と薬師仏と云う安易な道筋で、ラストの歓喜の踊り迄が取って付けたように見えてしまう。三代目のオグリに在った貴種流異譚としての魂の再生と云う主題が暈けてしまっている。とても再生の物語には見えなかった。

0 8

初日に観て気になった処が不自然で全く楽しめなかった。第二幕冒頭の婆婆達のSNSを使った遣り取りは小劇場風の安易な場面構成、下品な台詞廻しで鼻白む。閻魔一族とオグリ一党が闘う構成も安直で不自然、オグリと閻魔の地獄問答も表層的で深みがない。完成度が低い。

0 11