③ 石斎【セキサイ】
〈易占〉

※占手【うらて】:占いにより示された文言、あるいはそれから読み解ける占いの結果

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③ 石斎【セキサイ】
〈加賀知との関係性〉
ひとりの人間の若かりし頃と老い先。
本来、会うべくもない過去と未来が交錯するのは、彼の身に流れる血のなせる業。
肉の器を離れ、幽魂として彷徨することを可能とする力が、時にありえざる邂逅を生み出します。

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③ 石斎【セキサイ】
〈真人との関係性〉
育てば恋仇になると知れた真人を可愛がったのは、純粋な親心からでした。
みずからの血筋を残すことになど本当は執着のなかった彼。
欲しかったのは、心から大切にできる家族だったのかもしれないと、彼は真人を通して気づくのでした。

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③ 石斎【セキサイ】
〈水無瀬との関係性〉
おのが身も魂をも焼きつくして構わないほどに水無瀬を愛していながら、それを表に出すことはなかった彼。
反魂により本性が剥き出しになってなお、想いを告げるまでに時を費やしたのは、彼女を損なうまいと念ずるが故のことでした。

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③ 石斎【セキサイ】
〈業化〉
反魂後しばらく、実の定まらぬ幽的としてすごしていた彼は、ある日を境に肉の器を備えた天狗と化します。
それは妖としてみれば成り上がり。
しかし亡魂として虚しく消え逝くことは許されず、浮世に永らえる身となったことを意味していました。

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③ 石斎【セキサイ】
〈反魂〉
死後、彼は水無瀬の手により喚び戻されます。
ただし、彼女が用いたのは外法中の外法。
喚び返された者の魂魄までも無に帰す、二度とは使えぬ術でありました。
一度でも黄泉返れば、すべてが失われると承知の上で彼は水無瀬の声に応じました。

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③ 石斎【セキサイ】
〈老年期〉
二度目に帰郷した彼に居所はありませんでした。
やむなく彼は山に庵をひらき、気侭な隠棲をはじめます。
生き飽いた彼は気まぐれに自身の老い先を占いました。
六十年後に女を得、以て瞑すと告げられたのは彼が還暦を迎えた頃のことでした。

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③ 石斎【セキサイ】
〈壮年期〉
亡き妻の遺志を汲み、彼は里の女と私通を繰り返します。しかし待望の子はなせず、女の屍が積みあがるばかり。
業を煮やした彼は、またしても里を出奔。
京を経て上方で暮らしはじめます。
以降、五十を過ぎるまで里には帰らずじまいでした。

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③ 石斎【セキサイ】
〈青年期〉
里を抜けた彼は三十代の半ばまで江戸で暮らします。
空疎な歳月を過ごし、やがて帰郷した彼に与えられたのは若い妻。
幸せも束の間、彼女は初子を死産したのち、みずから縊死します。
それは妻の遺言を果たすべく足掻く日々のはじまりでした。

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③ 石斎【セキサイ】
〈思春期〉
九歳で修行を終え、一人前の術士と認められた彼は以降、大人の先達に混じって務めをこなします。
初めて人を殺したのも同じ頃。
寡黙に仕事をこなしていましたが、十代の末に京で大火災を巻き起こし、身ひとつで出奔するという暴挙に出ます。

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③ 石斎【セキサイ】
〈幼少期〉
里では、ごくありふれた子供として育ちました。
それも父が死ぬ五歳の頃まで。
以降は母の手伝いを理由に同じ年頃の子供とも交わらなくなります。
やがて七歳で修行入りを告げられた彼は、それを伝える間もなく自裁した母の亡骸と対面します。

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③ 石斎【セキサイ】
〈生まれ〉
開祖四家と呼ばれる里の枢軸を担う血筋のうち、紫野ノ目の末家に生まれたのが彼でした。
すでに雪降り積もる旧暦十一月のこと。
産み落とされて間もなく、襁褓ひとつで外に出されるも、三日経っても死なずにいたという逸話を持ちます。

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② 水無瀬【ミナセ】
〈鬼の花嫁〉

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② 水無瀬【ミナセ】
※祐子:水無瀬の真名(誕生時に授けられた名前)が
    藤神祐子。
    術士にとって真名は急所にも相当し、
    厳重に秘すべきものである。
    よって、おいそれと他者に明かすことはない。
    この名で呼べるのは真人と石斎だけ。

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② 水無瀬【ミナセ】
〈傲嵐との関係性〉
執拗につきまとう傲嵐と対峙するうち、彼女が直面したのは「おのれは何を求めてきたのか」という問いでした。
妖物さえも折伏する力、術士として一級の腕、女の限界を凌駕する気骨――一切が通じない相手は自身を映す鏡でもありました。

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② 水無瀬【ミナセ】
〈異界へ〉
亡き妹の子を育てていた彼女は、その出奔に応じて世界の矩を破る決断をします。
おのれに従う〈八雷神〉と取り引きし、身を異形と化してもと願った外法は成功。彼女は異界に到ります。
それは自身に眠る鬼の血を呼び覚ますことでもありました。

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② 水無瀬【ミナセ】
〈帝都の外法師〉
堕胎という苦難を越えた彼女は、活動の本拠を〈帝都〉に移します。
御一新に揺れる政界の依頼を受け、暗躍する彼女は〈帝都の外法師〉との異名を得るに至ります。
亡き妹の息子を養うかたわらの暮らしは、彼女に束の間の充足を与えます。

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