壁を引っ掻き回した爪は全て割れ剥がれ、叫び声さえとうに失った

今やコポコポと喉元から管の詰まった異音が漏れるだけ

あの日から私の空は丸い額縁の中

不条理な死を遂げた女が今も沈んでいるらしい

最初はたわいもない噂話だった


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希望など遠い昨日に置いてきた

獄火に焼かれ、死肉を喰らい、頬に血涙が滴ろうとも、歩を進める

道などあるわけもなく、茨を歩んだところで負の連鎖が道になることもない

それでも自分らしく、人間らしくありたいのです

「私の罪とはなんでしょう?」


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それでも遠ざかる影を追い続けるのか?

公正公平な命はいつだって風前の灯火

100人の他人を守るか?1人の大切な人を守るか?

ザラついたVHSのノイズが六感を搦め捕る

引き摺られた肢体の声は7日後の君の音


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ただ視点を変えるだけじゃない入口と出口の明確な答えが欲しい

頭を撫でられるのは嫌いなの

私の声を独り言にするもしないも聞き手のエゴイスチック

次第に水滴の音は止み、暗闇のまま運ばれていく感覚が体に響く

この指とまれ、後ろの正面はだれ?サヨウナラ。


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人間の本質や少し先を見通すことが出来たとしたら何?

呪いの連鎖を繋いだのは実験という名の辱め

興味本位のもっともらしさを喉の奥に詰めてあげる

冷たい闇黒に閉じ込められた無垢な魂達

純真だからこそ、それさえも罪


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どうか僕を忘れないでください

君を見つめる為だけのはずの二つの瞳が

一時停止のヴィジョンのままで

どういうわけか涙を流し続けているのです

次はどこを切断しようか


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怖がることはない優しい暖かさが其処にはあるのよ

失意のまま眠り続ける事さえ無意味ではないの

なんど掘り起こしても沈黙を貫くお前の情愛を見つけることはできず、俺はただ信じるしかない

衝動を肢体に擦り付けては思い出の上書きを試す

無表情で慰めてくれる屍体を今夜も抱いて月を覗く
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瞼の裏にこびりついた鳴けない叫喚

パノマラ写真の隅に映り込んだ君の姿は誰も知らない

今は、垂れ流された嘘さえ慕わしい

心地よい不整脈のラヴシーンが呼吸を遠くへ運ぶ様に

奇想は闇に逢いて、狂おしいまでの焦燥を燃やし尽くさんとす


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愛の言葉を呪いに乗せて

のたうち回る君は美しい

甘く輝くキャンディをあげよう

噛み砕く音と骨がバラバラになる音って似ているね

そんな悲しい顔をしないで、ほら笑うんだ


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音も無く水面から広がる波紋

善悪も苦楽もその違いなど紙一枚程の差も無い

だが、その差がすべてを狂わせる

血と埃が混ざる懐かしい香りが纏わり付く

私は切り取った貴方の一部を懐に納め部屋を出てゆく


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好奇心は罪ではないが時に触れてはならぬ事もある

心音が呼吸を追い越して行く

責苦を負う七日間

ほんのあと僅かで私は漆黒に堕ちるだろう

それでも、他人に擦り付けるよりはまだまし

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そして、果てたはずの魂は現に生きていた

縛られた魂は、ただ純粋な痛苦を与えるだけ

どんなに望んでも縋っても手を出していけないナニカは存在する

その呪言は口伝で感染する
残念だが、貴方だけが助かるなんてそんなムシのいい話など無い


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残された念はいつか必ず具現化し見た者を最後まで見つめ返す

己が業の深さをこれからゆっくりと身をもって体感すれば良い

好奇心はいつだって他人の犠牲の上に成り立っている

だから今、現の夢を見る

水滴の一音一音は鋭利、少しずつだが確実に身も心も削ぎ落していく闇黒



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