灰桜と名乗ったその子は、怒濤のようにあんパンについて語りだした。すごい知識量だ。

『は、灰桜さん、ストップ!』

『みゅっ!?わ、わたしとしたことが、つい夢中になってしまいました…』

鴎が止めると、心底申し訳なさそうに頭を垂れる。同時に背中の煙突からぼふっと煙が出た。

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