「まだまだ、俺は倒れない!さぁ、遠慮するなよ。最後、なんだからな」

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返り血か。はたまた彼自身の血なのか。
それとも――これは血なのだろうか。
赤黒くドロドロとした何かが目の前の彼に被っている。それでも尚、彼は彼らしい笑顔を崩さない。

「………あぁ、じゃア、もう 終わりにしマしょう」

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深い斬撃が目の前の彼を引き裂いた感覚がして、見上げるように敵の姿を確認する。一瞬歪んだそこには、もう傷跡は残されていなかった。

「まだ、まだですよ?さあ……次はこちらの番です」

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