久しぶりに
縁でも広げましょうか



向こうが闇ならこちらは明るく華やかに…

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何もない日常は、言ってしまえば退屈な日々。
静かな館さえも今は抜け出してしまいたくなる。

 窓から見えた夏空のせいだ。

だから彼女は、落ち着くけれど重いローブを脱ぎ捨てた。
慣れ親しんだ長い髪を纏め上げた。

 せめて、秋が来る前にと。

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 草花に囲まれ野鳥の憩う、人里離れた図書館がある。
静かな世界には司書がひとり。穏やかだけれどおしゃべりな、少しだけ変わった女性。

 退屈な休日にでも、小路を越えて会いに行けば――
来客を待つ彼女はきっと、微笑みとあなたを出迎える。

(反応でお迎え)

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