荒れ狂った風景に惹かれてしまうのは、郷愁なのか。
それとも、私がやさぐれているだけなのか。
(季刊:わたしと廃墟 2022年12月号コラムより)

0 1

君の眼に映る星空が好きで、好きで。
覗き込んでずっと見ていたいと思うよ。
(天体嗜好症)

0 6

細い細い月が出ていたよ。
まどろんだ君の目蓋のように、ゆっくりと空で瞬きしていたよ。
(どこかで見た三日月の話)

0 5

今日は空が青くて綺麗だったから。
風が心地良くて日差しが暖かかったから。
私が元気で穏やかに生きていると君が喜ぶから。

だから、あしたも。
(生きててあげようかな)

0 7

君のこと、未だに
わたし、よく、わかりません。
(何年経っても)

0 2

眠れない私の代わりに君が寝息をたてる。
眠れない私の替わりに君が眠りにつく。
眠れない私の、明日をきみが紡ぐ。
(ねむれないさめ)

0 3

契約をしよう。
期限は大好き千回もらうまで。
千回を越えたら、また一から更新しようじゃないか。

その契約に、サインも印鑑もいらない。
小指いっぽんだけあればいい。
(大好き千回あーげる、ゆびきった)

0 4

意味などなくても良い。此れからも然うして私の側に居て呉れないか?
私も、意味もなく側に居たい、と、思う。
(或る阿呆の半生・終章)

1 3

涼しくなってきたから、外に出よう。
気になる角をすべて曲がり路地を巡って素敵なものを探し、君の写真を撮ろう。
入り組んだ住宅街の偶然見つけたパン屋で焼きたてを買い、つまみ乍ら歩くのだ。
そうして辿り着いた先でちょっとだけ、道に迷おう。
(余暇)

0 3

眠りが浅いからよく夜中に薄らと目が覚める。
その時たまに寝息に混じって何か呟く声が聞こえる。
何を言っているかわからないけれど、君の寝言が聞こえる、深夜2時26分。
君の寝言がきこえる夜中の3時。君のねごとが聞こえる、朝の5時15分。
君の寝言が

「おはよう」

(きみの寝言がきこえる)

0 7

「…おはよう。」
優しく穏やかな声で目を覚ます。
ぼんやりとした視界の先には、はだけた浴衣、肌色多めの胸元。少し下がった、暖かな目尻。

「無理!」

朝から刺激が強いっすー!
脳が処理落ちし、自動的に二度寝のフェーズに移った夏の朝。
(OHAYO-OVERDRIVE)

0 3

「いつも帰りが遅くてごめん…」
彼は少しだけ眉を下げ、困ったような顔をした後「でも…」と言ってふわりと笑う。
「今日も、あんたが帰って来てくれて嬉しい。」
(お帰りなさいが言えるのも)

0 4

夏ですね、微ホラーです。
1ツイート内で終わる短いやつなのでそんなに怖くはないですが、苦手な方もいらっしゃるかと思うのでワンクッション置きますねー。

いやなはなし
https://t.co/GKvy3kr4Og

0 2

「少し増えてしまったけど、でもそんな私も好きでしょ?」
冗談めかして言ってやれば、即座に「ああ、抱きしめ甲斐がありそうだ。」と微笑む。

「…励まさないでください。」

今日から頑張る。
そう強く心に刻み、体重計(別名:絶叫マシン)から降りることの出来ない朝であった。
(減量一直線)

0 2

見慣れた平凡な顔立ちが、ひどく美しく見えて息を呑む。
「どうしたの?」
問いかける声が痛くて、素知らぬ顔で月を仰ぐ。
「(…どうして)」
…知らず伸ばしてしまった手に、きっと一番驚いたのは僕自身だった。#CW1twSS

0 2