始まる瞬間、本当は怖くて逃げ出したかった。でもそれ以上に、ああやっとその先に行けるのだと深く安堵した。
愛なんてなくてもいい。幸せな未来なんていらない。ただ長く持て余し続けた私という哀れでちっぽけな存在を、誰かに丸ごと受け入れられたかった。

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