かの淑女は、その境内で行われるいかなる姦邪も見逃さない

――真に尊き紫雲の巫女

0 4

道路の真ん中を、光を帯びた黒馬が進む。
だが、その光景を驚く余裕は警官たちに与えられていなかった。
無線機の指示はただ一つ。
“とにかく道を空けろ!『赤ずきん』が行くぞ!”

――<香港境界線・警察交通部>

0 5

大抵の利用者は、顔の見えない長躯の者を警戒する。
が、実際に意識すべきは少女の方なのだ。
彼らは少女を侍らせてるのでも、守っているのでもない。
ただ彼女に仕えているのである。

――バベル図書館、名もわからぬ1等司書について

0 4

こそっとやってる の裏で修道女服のシスター回してたんですが、かなり目が似てきますね。髪型とかもそこまで指定してないのだが……。
となると修道女で大分固定した顔が出てきてるかな?

0 2

ここ数年、煙草の消費は増える一方だ。
が、彼女はそれが問題だとはもう思っていなかった。
幽霊が彷徨き、異界が街角に出現し、機械化したドラゴンが祖国の国を飛び回る。
今更肺がんのリスクにどれほど悩む価値がある?

――DHS鏡面保安局 レベッカ・スチュワート

0 5

“現代の立憲君主制の王にはない、ふてぶてしさと猜疑心を持つ"
“謁見すれば、貢ぎ物を隠し持っていないか嗅ぎ回り、見つけたブラシを追い回す”

――<第62代ブロスフォード公爵ロイ・コルレオーヌ・マックウェル>

0 3

「拙い発音はお許しを。香港を離れてもう半世紀になるので」
言葉とは裏腹に、老女は完璧な北京語を話していた。
「連邦は深く憂慮しております。必要なら宋氏に助力を請うつもりですわ」
――<コモンウェルス代表 ミリセント・デンチ>

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