/アワリティア

ハートの女王 ながれ揺蕩う
きめこまやかでつややかな
ミッドナイトブルーの海の束

ハートの女王 熟れたいちごを
じっくり たあんと煮詰めた
きらきらかがやく双つの宝石

まなこ奪われる
お髪とお目目

けれど持ち主

“ ほんとはどなた ”?

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「ようこそ、私の住処へ。

ここはこの街の全てが解る場所。
ここはこの街の全てを知れる場所。

と言っても、全てを教えるわけでは
ないけれど。

それでも良いというのなら。

さあ-君の知りたい情報(もの)は何?」

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それはほんとうに一瞬だった。

街のはずれにある大木の枝の上。

そこには先程まで、影も形も
なかったはずなのに。

瞬きひとつし終えた途端。

にやにやと笑う猫の紙袋をかぶった
細身の(おそらく)男が

-こちらをじっと見ていた。

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「そこのあなた、止まりなさい。
女王陛下への謁見が許されたとの報告は受けていません。

こちらの言うことを聞けないならば。

-強制排除するまで」

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