「HM9S」第6巻は『東京奇譚集』に収録された根強い人気を誇るハードボイルド短篇小説「どこであれそれが見つかりそうな場所で」。目印は表紙のドーナツです。

“夫はそこで消えてしまったのです。煙のように——”
失踪人の妻からの依頼を受けて主人公の「私」は調査をはじめた。
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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑩
壁の絵は、思想家・荘子が語った逸話「胡蝶の夢」を表現している。夢の中で蝶になって飛んでいたところ目が覚めたが、果たして自分が蝶になった夢を見ていたのか、または自分は蝶が見ている夢なのか?と考える話。虫と人間の「変身」を描いています。

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑨
ベッド脇の本はプラハの詩人・Karl Brand『Die Rückverwandlung』
。カフカとも面識のあったこの詩人が『変身』に大きな影響を受けて書いた「虫から人間に戻る」物語は、日本語にすると「再変身」。『恋するザムザ』と似ている、続編的短篇です。

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑧
部屋に置かれている本やレコード、一つひとつに意味があります。右下のレコードは「Janáček, Sinfoniettas, Supraphon」。プラハ出身の指揮者・Janáčekが指揮する『シンフォニエッタ』は村上春樹の長篇小説『1Q84』の冒頭にも登場する重要な一曲です。

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑦
部屋の右上の虫の絵は、映画『The Fly』(1958)をデヴィッド・クロー ネンバーグがリメイクした同名作(1986)の ポーランド版のポスターを模したもの。映画のチェコ語タイトルは『Mucha』意味は「虫」です。(なんとプラハの画家「ミュシャ」も同じ意味!)

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑥
ダイニングにたくさん飾られているのは、日本 の浮世絵師・歌川広重の絵。カフカの創作、特にカフカの自選小品集『観察』に大きな影響を与えたとか。細かいところまで漫画家PMGLの遊び心が光ります。
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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!⑤
階段の上に飾られている絵は、輪廻(=samsara) がモチーフ。命あるものが何度も転生し、人も動物も関係なく生物として生まれ変わること(目覚めると虫になっている『変身』のような!)を表現しています。「ザムザ」の名前とのダジャレでもあります。

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!④
部屋の壁にかかっている女性の絵は、カフカの『変身』に「毛皮の帽子をかぶり、毛皮の襟巻 きをまいた婦人がひとり、きちんと椅子にかけて、 大きな毛皮のマフの中にすっぽりさしいれた両腕 を前にさしだしている絵である」と描かれて登場する絵です。

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『HM9S恋するザムザ』隠された秘密を探せ!③
ザムザの背中に不自然に残る不自然な丸いくぼみは、カフカの『変身』で虫と化したザムザが、 対面した父親に追われ投げつけらた “林檎 ”の痕跡?
原作の題材『変身』と読み比べるのもおすすめです。
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【第4巻 バースデイ・ガール】
原作には描かれていないイメージが、翻案・漫画化されることで新たに加わることもあります。“現在”の登場人物たちが会話をしている神社のような場所もその一つ。ラフスケッチを描きながら、作品の世界を作っていきます。#HM9S

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【HM9S特設サイトSPインタビュー更新!】日本の漫画批評の第一人者、夏目房之介さんにお話を訊きました。講義形式で全4回お届けします。第一回目は漫画と社会の深いつながりについて。まず社会を語らずしては、漫画もバンドデシネも語れません!▶︎https://t.co/4zxHuONpkM

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【HM9S特設サイトSPインタビュー更新!】ギベール&ルフェーヴル『フォトグラフ』やカナレス&ガルニドの『ブラックサッド』など数々のBD翻訳を手がける翻訳家・大西愛子さんインタビューを公開しました。全4回!翻訳家を目指している方、ひょっとしたら参考になるかも!▶︎https://t.co/4zxHuONpkM

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BD翻訳家・原正人さんに訊く、「ON THE バンドデシネ ROAD」第4回(最終回!)をアップしました。HM9Sのように文学をバンドデシネ化した、まだまだ知られていない名作達をご紹介いただきました!こちらからご覧ください▷https://t.co/4zxHuONpkM

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