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「それでな、大蔵。お前は私の組下になってからまだ日が浅いから知らなんだろうが、あの女衆はな、私の奥方様なのだよ。
 つまり、私はあれの尻の下の敷物なのだ」

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ブースターは終了な感じでございますが……。

レビューを下さった皆様、お読みいただけた皆様、ありがとうございます。

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『チクショウめ。何もかも、真田喜兵衛たらいう田舎者が、いきなり川のこっちに手を伸ばして、俺達の里の塩田で盗んでいきやがったのが悪ぃんだ』
考えただけで胸が焼けてくる。四郎兵衛は奥歯をきしらせた。

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徳川方はねじ曲げられた細道を推し通った。
一丁先に土塁と木の櫓が見える。
土塁の上に数人が立っている。
きらびやかな装束を着た者が、扇を開いて振っている。
太鼓や鼓の音がする。
彼らは謡っていた。

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「私は、私の所に大切な話を持ってきてくれる者であれば、誰の事でもありがたいと思うている。
私を助けてくれる者、導いてくれる者、嗜てくれる者、そういう人々は、誰であろうとも尊い」

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一次選考を通過しました。
時代劇です。
二次選考で消え去る前に、是非。

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敵兵の命を奪う必要はない。敵兵を動けなくすればいい。
戦場で動けない人間は息があっても戦力にはならない。
怪我をした当人ばかりではない。動けなくなった一人を後方に運ぶのために、一人か二人の手が塞がる。

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「棋道は戦の鍛錬になるというのに。殿がなぜ我が兄ごときに負け込むのか、俺には解らぬ」
「鍛錬と本番とは別物ということだ。本番で負けなければ良いだけのことさ」
事実、昌幸が碁盤の上で負けている間に、自軍は徳川七千余を敗走させたのだ。

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訓練が行き届いていない兵士達は正しく隊列を組むことができない。
経験の少ない兵士達は戦場で自分がやるべきことが判らない。
彼らは自分のすべきことも戻るべき部隊も判らぬまま、自分の周囲の動くあとを追いかけて動く。

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たーかーさーごーや

こーのうらふねにーほをあげーてぇー

こーのうらふねにーほをあげて

つきもろともにいーでーしおーの

なみのあわじのぉしまかげやぁ

とおぉくなるおのぉおきすぎて

はぁやすみのぉーえにつきにけりぃ

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敵兵の命を奪う必要はない。敵兵を動けなくすればいい。
戦場で動けない人間は、息があっても戦力にはならない。
怪我をした当人だけではない。動けなくなった一人を後方に運ぶのに、一人か二人の手が塞がる。

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振り返ると、赤い旗を掲げる一軍がこちらの最後尾を叩いているのが見えた。
率いているのは巨馬に打ち跨がった大柄な将だった。
「そちら様はさぞ名のある将なりとお見受けいたします。この若輩者に一槍お手解てほどきを頂きたし!」

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この少女、名を氷垂《つらら》という。
本名ではない。
顔立ちなどからすると、年の頃十五、六と見受けられるのだが、実のところ二十歳を迎えた源三郎より二つも年上なのだ。

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「それで源三よ、何がしたい?」

「塩田の一揆勢の対処を、それがしにお任せいただきたく」

「一揆?」

「青木の、子檀嶺城に……」

「おお、あの古城か。そういえば、あそこには何の手も打っておらなんだ」

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『若様の武運長久を祈願するのが、あたくしの役目ですからね』
そう理屈を付けて、氷垂はできるだけ夫の傍かにいようとする。
源三郎の「武運長久」の為に役立つならば、自ら山を、里を、戦場を走り回る。

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自分自身はまだネット小説大賞の公式サイトを見に行けていないのですが、拙作が一次選考を通過しているとの情報を頂戴致しました。

有難いことにございます、有難いことにございます。

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「お主も砥石へ行くか?」
氷垂は口惜しそうな不満そうな顔を作った。
「心引かれますが、若様が砥石のお城に入ったと殿様に伝える所までが、今日のあたくしのお仕事です」
源三郎も口惜しそうな不満そうな顔をした。

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