「椿×雪ウサギ」

駅からの帰り道
我が家への団地の道すがら
公園を抜け
駐輪場も越え
椿が香りを放つ団地にたどり着いた

『ただいま』

ぼんやりした灯りに照らされた
赤い椿は命を称える様に上を向く

昼間に届いた郵便受けからは
母からの寒中見舞い
雪ウサギに託した親心だろう

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ふわりふわり水面に浮かぶ月影。不確かで朧気だが美しかった。恋なんてこの水面に浮かぶ月の様な物かもしれない。不確かな断片で印象を決めてそれに焦がれる。例え、本来の姿と違ってもだ。全てを見せる勇気は私はまだ無い。
水面に揺蕩う月

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