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『機動警察パトレイバー2 the Movie』
東京国際映画祭にて鑑賞。押井守監督作。
雪がそぼ降る2月の東京。ベイブリッジの爆破事件を端緒に展開される戦争状況の再現と、水面下で繰り広げられる政治的謀略が誘発する混沌。平和と紙一重の戦地で再会した初代特車二課・第2小隊は最後の出動の時を迎える。
『天国の門』
19世紀末のワイオミング、牧場主たちによる東欧系移民排斥の中で起きた謀略、殺戮、裏切りと愛を描き、「血塗れのアメリカ」をスクリーンに叩きつけたマイケル・チミノの力作。あらゆる正義が砂塵の如く消し飛び、全てが地獄の業火に飲み込まれてゆく大迫力のドラマに圧倒される。
『ホーホケキョ となりの山田くん』
高畑勲監督作。原作はいしいひさいちの漫画『となりの山田君』(『ののちゃん』)。
素朴な山田家の日常風景を、デジタル彩色とは思えないほど自然な色合いで描き出す。この上なくデフォルメされた空間で、さりげないリアリティを見せる”なぐさめ”系作品。
他者の死と生(=他者によって生かされている)というテーマもさることながら、カムパネルラという友を失ったジョバンニの悲しみが、わずかな台詞で紡がれる別離のシーンが強烈な印象を残す。
説明がつかない、感情の根源に訴えかけるような「何か」が静謐さの中で綴られていく、美しい作品。
『トップガン マーヴェリック』
再見。2回目はIMAXで、オリジナル版を鑑賞後に観たわけだが、やはり前作を知っているかいないかでラストシーンの見方は変わってくるなと感じた。果たせなかった盟友との空の時間、それを世代を超えて実現する感動がやはりラストにはある。あれから30年、→
『夜がまた来る』
麻薬Gメンの夫を殺された妻の復讐劇。妻から女へ、生と死の淵を彷徨い、再び女へ。愛ゆえの壮絶な地獄を描く石井隆監督作。
主演の夏川結衣の美しさ、彼女を必死に守る根津甚八の姿が強烈。暴力、ヤク中とメロウな逃げ口を廃し、悪夢のような時間が延々と続く怪作。
映画自体は気になる点こそあれ配役、演出含めて力作であり、何より世界的名作のリメイクに相応しい品格を映画に与えた笠松則通のカメラが圧巻。
惜しむべきは「イーストウッドの名作を日本でリメイク」と聞いて、まず普通に考えて絶対駄作だろうと思われてしまうところか….。
『ダイ・ハード2』
約2週間ぶりの映画。
続編らしく王道、ダイナミックな作りが好感が持てる良作。何かとツッコミ所も多い映画だが、テンポの良い演出で気にならない。唯一気になるところがあるとすれば、悪役のフランコ・ネロが前作のアラン・リックマンのキャラの強さに負けてしまっているところか。
『ベルリン・天使の詩』
ベルリンの壁崩壊前の西ベルリン。その街を見守る天使がサーカスの踊り子に恋に落ち、人間になる決意に至る様をポエティックに描いたヴィム・ヴェンダースの代表作。モノクロパートの映像美に目が行きがちだが、改めて観るとその人間讃歌とも言うべきメッセージ性が興味深い。
「機動警察パトレイバー」のOVA、TV、劇場版3作と連続鑑賞中。
(劇場版に限ると)OVAからの流れを汲んだエンタメ的傑作「the Movie」、押井守ワールド全開の「2」、異質ながら同シリーズという確信できる「WXⅢ」と、どれも素晴らしい。一直線に繋がる世界観を形成する川井憲次の音楽がたまらない。