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『獄門島』
ここ数日体調が優れず、久々の映画は軽めの金田一シリーズ第3作で。
女性色の強いシリーズに松竹三羽鳥・佐分利信が登場、一気に男性臭くなった印象。いつも通りの加藤武と大滝秀治、市川崑のスタイリッシュな演出のスタイル(マンネリ)が心地よい作品。内藤武敏のまさかな登場には驚いた。
『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』
アメリカ西部、変わりゆく時代の中で無法者としての道を貫く者、保安官としてかつての友に引金を引く者の残酷な運命を詩的かつ抒情的に描いた西部劇の秀作。ペキンパー印ともいうべきバイオレンスが抑制され、彼の情熱的な側面が強く現れた1作。
『戦場のメリークリスマス』
大島渚の名作を映画館で。
原作の方が正直深みを感じるし役者陣の演技がとても上手いというわけでもないが、やや無骨なストーリーにどんどん引き込まれていく。映像は従来版より格段に良くなっており、坂本龍一の音楽とともに作品の幻想性を強めている。
『ジョーカー』
物語はスコセッシの『タクシードライバー』を踏襲しているように感じた。(事実、ロバート・デ・ニーロが出演している。)
狂気じみた主人公"ジョーカー"をホアキン・フェニックスが快演。しかし、市井に紛れ込んだ真の狂気を感じられる点では『タクシードライバー』に歩があると言える。
そう捉えると、原作と映画で互いに重なる点と、並行して存在していることに大きな価値があると思う。これを業というのならば、原作者=手塚治虫氏と、手塚眞監督との関係性にも通じるのではないか。
そして注目すべきはC.ドイルのカメラと橋本一子の音楽。妖しげで、幻のような世界に引き込まれる。(栗)
しかし、何と言ってもこの映画で注目すべきは、不遇のマフィア "レフティー"を演じるアル・パチーノ。代名詞である「キレ芸」を抑制し、その風貌、その眼差しからはくたびれ、うだつが上がらない雰囲気が隅々まで漂う。「弱肉強食」を直観するかのごとく、ビデオテープの映像を眺める演技は必見。(栗)