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「それも全て、君のおかげだよ」 「────ありがとう。ミミズク」
「やあ、ここまでよく来たね」 「─────待っていたよ、きょうだい」
『────それを、よく考えろ』
「『イツキ・ツルギダ』という名前に、心当たりはないですか」
石畳から洞窟の壁、そして床を覆い尽くすように、大量の赤い薔薇が広がっている。 その先は全員が避難した洞窟、銀細工のエレベーターがある方向だった。
この場所を、彼女は知っていた。 この場所に戻って来れたその意味を、彼女たちは知っているはずだった。
「────クラリス!!」 ルシルが慌てて倒れた彼女の下に駆け寄った。 クラリスは自分の身体に起きている現状が理解できないのか、雪の上で手足を不思議そうに動かしている。
「……とにかく、みんなを探さないと…」 ヴィラと彼女の鞄を背負い、移動する。ここに留まっていてはいつ瓦礫が落ちてくるのかもわからない。 漠然とした不安が彼女にのしかかる。