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懐かしい後ろ姿だった。
そうか、もう言葉遊びで男を誘うのはやめたのか。
おたがい、もう年をとったから、幸せに暮らしてるならそれでいい。
かつて、今まで出会った中で最もその立ち姿を愛した人。
僕が傷つけたぶん、せめて幸せに。
この人を好きになってはいけない。それは罪になってしまう。
誰も見ていない早瀬に気持ちを隠してしまわなければならない。
心はいつか、思い出に変わっていくから。そんなことは、知りたくもなかったのに。
恋はもっと明るくて楽しいものだと思っていたけれど、咲かない花もあるのだと知った。
長いこと蜘蛛の糸の下であえいでいたせいか、青空のような人を見ると、胸が痛んでしまう。
その人の素晴らしさばかり目について、もはや嫉妬すらおきない。
わたしは、わたしのままでいい。そんな強がりが、少し虚しく響いて。
二人には共通点が多い。
だけど、ただ描き殴って捨ててきた僕と違って、あなたは大樹を描くように美しい目標を持っている。
何て素晴らしい才能だろう。そして僕がこれからどんなに努力しても、それは枝葉の空回りに過ぎない。
あなたを見ていると何ともうれしくて、少しさみしい。
心の底から新しい何かを求めている
どんなに踏まれても蹴られても
瓦礫の下から芽吹いた花のように
好奇心を抑えることはできない
はげしいはげしい明滅
はりさけそうな脈動を経て
何度こころ折れようと
新しい何かを探している
とうに言葉など捨てたはずなのに
それでも指先がこころを描いてしまう
悲しみに沈んでいたはずなのに
涙さえも詩の彩りになる
人は意外と変幻自在で
こうして強くなるのかも知れない
千の詩を飲み込んで
千の詩を紡ぎだす
あなたに壁を作らなければならない
そばにいたら想いがあふれて
あなたを沈ませてしまいかねない
この思いを知られてしまったら
泡になって海に帰りたい
あなたに嫌われてしまいたくない
生きることは
どうしてこんなに不自由なの
好きな人を好きになって
どうしてこんなに苦しいの