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現在制作中の130号、とりあえずこの辺りまで描けた。あと4カ月ちょっとで終わるのか?という不安と焦燥が常につきまとうが、一筆一筆の先に完成があるのだから、今日も頑張ろう。
「珠玉なる虚偽的瞬間へいざないたまえ!」油彩、パネル、162cm×194cm、2008年
二度と同じ作品は描けないからこそ、昔の作品を観るとじわりとしたものが込み上げる。と同時にもっと技法、表現、そして自分性を追求せねば、と身が引き締まる。
制作中は矢鱈と過去の記憶が蘇る。この作品「華麗なる忿死」を発表したのが2011年度の芸大卒展である。その後、悩み、惑いの時期が数年間続いた。試行錯誤するがなかなか上手く行かず、苦悶の日々が続いた。それを経て、ようやく何を表現したくて、どのような美術家を目指したいのかが見えてきた。
本木ひかりさんの作品には、さりげない表情にモデルがもつ複雑な心情が見え隠れし、とても好きである。何より色使いと筆致に五感が刺激され、思わず目を奪われる。