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【10】
「期待してるからね、未来の名医さん」
『任せとけ』
お互いに涙の跡が残る顔で笑い合いながら小指同士で誓った約束。
でも、その契りが叶う事は無かった。
【8】
まだ濃緑(ふかみどり)が一面に残る地面を区切る古びた木の柵。
その杭の1本に括り付けられた麦わら帽子がまるで旧友との再会を喜ぶかの様に、初秋の風に揺られながら何度も頷く。
ーーーーーおかえり。
ーーーーー遅いじゃない。
それは風の音か。
親友の声か。
『ゴメン』
私は返した。
【6】
今や世界でも屈指の名フルート奏者になったハルは、年中世界を飛び回り、孤児院や刑務所でのボランティア演奏会もしている様で……
そんな多忙な中でも『あの子』との約束は只の一度も違えた事が無いのである。
ハルの優しさと思い遣りには本当に頭が下がる。
【5】
四季っ娘の中で一番の跳ねっ返りだったフユも、今では成年実業家の妻として甲斐甲斐しく家庭を守る専業主婦だと言うのだから……世の中は分からない。
そう言えば曽ての恩師で、特にフユが熱烈に慕っていた結城梓先生から卒業記念にと無理やり奪った一張羅は……今も着ている。流石だわ。
【3】
そんな思い出に浸っていると、2人の女性に声をかけられた。
「よぉ、ナツ!」
「お久し振りです、ナツちゃん」
雪原を思わせる白銀の髪を両サイドで纏めた、オッドアイが特徴のフユ。
春風を感じさせる緑髪のポニーテールと眼鏡をかけた姿が清楚さを醸し出している、ハル。
【2】
毎年この時期になると私は『あの子』に会う為にココへ戻る。
生まれつき身体が弱く、この地を離れる事が適わなかった親友が待つこの地に。
共に起き、駆け、泳ぎ、食べ、また眠り、あっという間の1週間を終えると
『また来年に、必ず』
そう約束し、互いに泣きながら
このホームで別れた。
【1】
葵谷(あおいや)
そう書かれたプレートが掲げられている、あちこちの老朽化が激しい古びた駅のホームに1台の列車が足を止める。
開いた扉から吹き込んで来る熱風に顔をしかめながら故郷(ふるさと)の地に足を降ろす。
『ただいま』
私の名前はナツ。
今年も夏季休暇を利用し帰って来た。
【あるある】
郵便物や宅配便の宛名を書く際に本名でなくHNとかを書いてしまう事ってあるよね( ̄▽ ̄;)
(例:『結城あずさ様っと……いや違う!』)
何ならシェーキーズやかっぱ寿司の順番待ち名簿に『みらちぇ』って普通に書いた事あるからね!(汗)
#このVtuberが居なかったら今の自分は存在しなかったと言っても過言ではないVtuberを晒すべし
・結城あずさ
僕の手を引き、眩しく楽しい世界に連れ出してくれた。
そしてずっと一緒に歩んでくれる道を選んでくれた。
君がいない世界なんて考えられない、そんな最愛の恩人であり最高のパートナー。