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「……どこだ、壬生の。どこにおる」 画面にはいつも対戦者同士の場所が表示されているが、 今の画面には松葉色の点しか表示されていない。
試合当日 試合配置
「あの、柿本様…」 人麻呂は、帝の顔布を捲った。 「かっ、柿本様…!それは流石に…!」
「…お伊勢はん…?」 「……ありがとう、ございました。父上」
試合当日 配置
唇に人差し指を当て、二人に静かにするように促すと、薊は真剣な面持ちで更に声を潜める。 二人は、薊がこれから話すことを聞き逃さないよう、耳を澄ました。
「そうなのね…良い話。でもね」 一息置くと、二人はまっすぐ相手を見る。 そして、吠える。 「「勝つのは!」」
帝の前に表示されている画面には、対戦する二人の配置が示されていた。
走る忠岑の目の前に、突然巨大な影が現れる。 上を見上げれば、大きく飛び上がり、今まさに大薙刀を振り下ろそうとしている人麻呂の姿が見えた。
帝の目の前には試合場の地図が映し出され、墨色の点と薄縹の点が示されており、二人はそれなりに距離を取った位置についていることが分かる。