//=time() ?>
僕の小規模な失敗/福満しげゆき
僕にとってこの作品は、田山花袋の蒲団や谷崎の痴人の愛を髣髴とさせる。それくらい、この作品には純文学的な要素や私小説の要素が多くあるように思う。
社会から脱落しそうになりながらも、愛情や成功を求める主人公。人間の弱い部分が素直に赤裸々に描かれた名作。
蹴りたい背中/綿矢りさ
クラスの余り者同士のにな川とハツ。やがてハツは、アイドルに夢中なにな川の存在が気になり…
他人に認められたいが、群れたくないという感覚が上手く描写されている。作中で描写されるような、鬱屈とした感情は自分だけが経験したものじゃないんだと少し気が楽になった。
ゴールデンカムイ/野田サトル
明治末期の北海道を舞台に、金塊をめぐる物語が幕を開ける…。
魅力的で狂気的なキャラクター、目まぐるしく変わる展開、唐突なギャグ。これらの要素を北海道文化とグルメでまとめたような漫画。序盤から終盤まで一貫して面白いが、最終回の完成度には度肝をぬかれた。
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない/鴨志田一
シリーズ第5作。
イジメが原因で外に出られなくなった妹「かえで」。彼女は、兄のため、自分自身のために学校に行く決意をするが…。
文句なしに面白かった第5巻。予想をしていても感動してしまうのは、作者の力量ゆえか。早く続きが読みたいな!
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん/入間人間
イラストの可愛さとは裏腹にヘビーでホラーな内容のライトノベル。アングラ感たっぷりなので、10代のうちに読むとどっぷりハマれるかも。文章は読みづらいという意見もあるけど、個人的にはそこまで気にならない。偏愛って良いよねと思わせてくれる一冊。
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない/鴨志田一
個人的にラノベは設定に違和感がないことが重要だと思っている。その点において本作は設定にも設定の説明にも違和感がなく、上手く話の導入を兼ねている。
中盤からの盛り上げ方。伏線の回収。次回へ繋がる終わり。全体的に完成度が高い作品。
涼宮ハルヒの直観/谷川流
9年半ぶりの涼宮ハルヒ最新作。改めて読むとハルヒってこんなにもお洒落だったのかと驚かされる。
出たばかりなのでネタバレは避けるが、続編への伏線らしきものがたっぷり張られているので往年のファンは楽しめるはず。何年かかっても良いから、完結を見せてほしいなぁ…。