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気づいたら、柿本人麿の命日とされてきた3月18日を過ぎてました。画像は国学者の研究が反映された人麿影です。伝統的画像よりも若く、装束も上代風なものになっています。なんといっても太刀を佩いているのが、大きな違いでしょう。敷いてる鹿革の顔は、怖いのか可愛いのか。
やはり痛んでいる表紙シリーズ。岡高倫が妙弁阿闍梨に与えるために、享保3年(1718)に書写した『詠歌大概講談密註』の表紙です。3冊本で比較的状態のよい中冊のものを。麻の葉つなぎに揚羽蝶の文様が刷られた薄い紙が使用されています。題簽の真鍮箔はやはり輝きが鈍いですね。
傷みやすいものなんですの表紙シリーズ。享保期写の『百人一首抄(幽斎抄)』です。右上に「共三」とあるように3冊本ですが、一番状態が良いのがこの中冊です。細かな花唐草文ですが、状態が良かったら綺麗だったでしょうね。題簽の黒い斑点は銀箔です。黴ではありませんよ。念のため。
今日は気分を変えて。アメリカのブックフェアで求めた聖書のリーフです。13世紀にパリで書写されたものとのこと。イエール大学のバイネッキ図書館で同時期の聖書を拝見する機会があり、雰囲気が酷似しているのに驚きました。その本から切り出したかと思ったほどです。時代と地域の様式を実感しました。
勝手にねばる表紙シリーズ。牡丹・菊・七宝唐草文の唐紙表紙に、花亀甲繋の唐紙題簽を用いた『新古類句和歌集』です。未詳の歌集で、これ一冊しか手元にないのですが、勅撰集の句索引のようなものらしいものです。一冊まるごと1文字目が「よ」で始まる歌が並びます。全体で何冊だったのでしょうか。
まだまだやめない表紙シリーズ。17世紀に上方中心に流行した、絵本類の版本で良く見かける、「行成(こうぜい)表紙」を有する、写本の『飾抄(かざりしょう)』です。表紙からおよその写年も分かります。細かな繋文に動植物の丸文を散らすのが基本で、これは毘沙門繋(びしゃもんつなぎ)ですね。
確かにこれは藤の花です。江戸前期の短冊のものなのですが、同じ短冊に別なパターンの藤もあります。どちらも印刷ではなく、型紙を用いて、藍色の紙を漉き重ねています。17世紀の短冊や色紙、本の表紙などで見かける技法です。