//=time() ?>
骨の関節面に存在する骨端軟骨は、晒した骨では失われる。厚みは不均一で、大腿骨頭など肥厚した部位で数ミリある。大腿骨下面の骨端軟骨を見たら、圧痕が付いていて、関節面が明瞭に分かれていた。この視点から大腿骨の左右を判別する場合は、膝蓋骨の関節面(黄色)の輪郭を見る。高い方が外側。
20世紀美術解剖学の巨匠ゴットフリード・バメスは板書の名手であった。リアルタイムで描かれる人体像は、知識と経験がそのまま反映される。角度を自在に変えることができるのは、頭の中に立体的な像が想起できたからだろう。写真はBammes. Malerei - Grafik - Künstler-anatomie. 2000. より。
予備校生の頃に読んだアインシュタインの言葉に「科学の全体は、日常的な思考の精錬に他ならない」というのがある。当時、これを勝手に改変し「あらゆる芸術は、日常の延長に他ならない」と解釈していた。分野の部分に、自分の取り組んでいることを当てはめて見ると、意味が通じて面白いことがある。
解剖学では、細かく調査すればするほど標準構造が失われ、個体差が強く現れる。詳細になれば明らかになるどころか、言い切れなくなることもしばしば。人体は、その都度その都度、状況に対応している。
学問の効用は知識を増やすことではなく、体験後に当人の内で起こる認識の変化のことである。能動的な体験を通して得られるものは言語で教えることができず、また記憶に残る。
ジュリアンの素描教本。モチーフは、当時人気のあった油彩画などの一部を模写したもの。ストロークなどにジュリアンの解釈が含まれる。筆致を目で追うことで、形が把握できるようになっている。
上肢や下肢の筋は、それらを覆う比較的厚みのある深筋膜によって形状が維持されている。筋を骨から取り外し、表裏や筋束間の筋膜を完全に除去すると、筋腹は重力の影響によってわずかに潰れ、平たく広がるのが観察できる。