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「平家物語」で好きな登場人物は?と問われれば、私は平維盛と並んで平重衡を挙げることが多い。重衡には中間管理職的悲哀を感じる一方で、責任から逃がれる事なく己の運命を真正面から受け止める毅然とした品格が感じられて、そこに否応なく共感を覚えてしまう。#平家物語 #山田尚子
倶利伽羅峠の合戦がいかに壮絶だったか。古典平家では巨大な奈落に落ちていく人馬の群れを「馬には人、ひとには馬、落ちかさなり落ちかさなり、さばかり深き谷一つを平家の勢七万余騎でぞうめたりける。巌泉血をながし死骸岳をなせり」(「倶利伽羅落」)と記している。#平家物語 #山田尚子
維盛にとっては初陣。目の当たりにする凄惨な合戦の光景。初めて知る戦争の実態。後の富士川合戦の敗走を幻視するかのような描写。維盛のトラウマは合戦の度に深刻なものになっていく。三井寺を焼いた重衡にしても南都焼討を予見する不吉な前兆に震えているようだ。#平家物語 #山田尚子
アニメ版でも描かれているように清経という人は横笛の名手であり、他の平家一門の多くがそうであったように、およそ戦には不似合いな風雅を愛する都人だった。繊細な感性ゆえの悲劇は兄の維盛の最期とも似ている。800年前の出来事が今はかつてないほど身近に感じられる。これが物語の力だろうか。→