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「この村は四季がを感じるのにとても良い。桜もよかったけど、この後に見られる椛もとても魅力的なんだ」
「冬には雪が積もるんだ。雪を見ながら入る露天風呂も最高さ」
「……なあ。これからもこの村で、一緒に暮らしてくれないか?」
「そして一緒に暮らすうちに、この村に君との幸せな出来事が増えてきた」
「君が村の人達と関わる度に、この村の人の温かさを改めて感じた」
「それと同時に、過去の両親との記憶も、大切にしなきゃいけないことに気がついたんだ」
「でもあの日、君と出会って……本を大切そうに抱える君を見て、胸が締め付けられた気がした」
「なんだか運命に感じて、気がついたら引き止めて家に連れてきていた」
「この村で生まれて、この村で育った……その幸せを元に書いたのが、この小説だった」
「でも、両親が亡くなった後……悲しみを受け止めきれず、この村は、両親を思い出してしまう場所となり、苦しむしかなかった」
「だから、小説が書けなくなってしまっていたんだ」
彼女と共に暮らすようになってから6ヶ月……メイド服にもすっかり慣れてきた頃、村の方からとある話を聞きました。
「この村が舞台になった、あの小説の続きが近々発売されるらしい」
詳しく聞くと村の人達は微笑みながら教えてくれました。
「だって、作者である"あの子"がそう言ってたんですもの」