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──
ふと顔を上げれば何かがこちらを見ているのに気が付いた。 「わ、こんなに大きいのに会うのは初めてだな……」 桃色の大きな生き物は、何の感情も乗っていない目で俺をじっと見下ろしている。 ぬいぐるみだから当然だけど、その目で見詰められるのはちょっと気まずいかな、なんて。
途端に息が詰まる。頭の奥がガンガンと痛んで、心臓のあたりから全身に冷たさが広がっていく。 今朝の時点ではあったはず。あっただろうか。 薬を投与されて暫くは全てが青く見えて安心してしまっていたから、指輪をしているかどうかなんて意識していた保証がない。
「オーライ オーライ! そこの二人、ちょっとどいて!」 二人きりだった広間に新たな声が飛び込んでくる。 ひたちと一緒に廊下の方へと目を向ければ、壁の向こうからにょきりと誰かの、何かの、足が生えた。
――白い壁をやわらかな線がいくつも這った。 ――賑やかな色達は、一切の違和感を与え██████?
「今日のおやつはチョコレートと… これは何だろう」 談話室で宏和さんと皇さんとともにおやつを囲む。 個包装のチョコレートの横に置かれた何か──恐らく生き物──を、宏和さんが恐る恐るといった様子で持ち上げた。 あ、指を蹴られてる。そんな姿も愛しい。
──あれ。 すれ違う瞬間、先生がおれをほんの少しの間見下ろした。視線が絡む。色が覗く。初めて見たそれに、ぬいぐるみに向けられていたはずの興味はガラリと方向を変えた。
ねむりちゃんのオレンジ色のリボンが、まるで水風船が弾けたかのように、スライムを零したように、白いカーペットの上で大きな染みを作っている。ずっと部屋の端に身を寄せあって怯えていた生き物達は幼子のような歌声を響かせて彼女の体にむらがった。
私が足元に視線を落とすと同時に助手さんが溜息を吐きながら口を開く。 冷静な彼女の声とは裏腹に、私の心臓は逃げ出そうとでもするかのように暴れていた。 █が見える。███だ。付け根からぐにゃ█とぼやけてぬ█ぐるみの形に変わってい██れど、それは確かに█の、█、█、……?