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最初は大きな蝶が蜘蛛の巣に囚われているみたいに見えた。
力なく足掻く蝶の、なまめかしい紅い羽根が、ゆらゆら揺れている。
次の瞬間、状況を判断する前に声にならない悲鳴を上げながら、俺は本能的に部屋へ駆け込んでいた。
目に飛び込んできたのは、紅い古風な着物を着たアキだ。
――完全に油断していたし、そもそも疑ってもいなかった
*
「てめ…クソあに…き…」
ブラコンが聞いて呆れる。
コーヒーになんか盛りやがったな…!?
「無茶な真似をしたらお仕置きだよって言ったよね」
頭を振り、額に手をあてがってこめかみを指で押さえても眠気は失せず、意識より→
誰にも祝福されなくてもいい。
彼さえ隣で笑ってくれていたら、それでいいと思っていた。
*
愛する人と共に生きていくことを、俺たちも大切な人達に認めてもらいたいと思った。もう二度と、こいつを一人にはしたくないと思った。
*
「観覧車は……遠くから見るより、やっぱり…
愛しいひと
生まれ変わって
きっと貴方の元へ―――…
*
涙が止まらない
何度拭いてくれても次々と溢れてくる
貴方は…誰?
意識を完全に手放す瞬間、その人の唇が何かを囁いた
何て、言ったの…?
名前を呼ばれた気がしたけれど、それは僕の名ではなかった
誰を呼んだのだろう
nekoさん(@hare___neko)お誕生日おめでとうございます!
リクエスト頂いてた『死神』で描かせて頂きました。
この一年が、nekoさんにとって良い一年でありますように🎂
いつも素敵な小説・絵、ありがとうございます( *´艸`)💕
『死神くんと
訳あって魂回収し損ねた 少年』です。
喜多川がもう、寂しい夜を過ごさなくて済むように。
知らない誰かで寂しさを紛らわさずに済むように。
涙声で訴えた透のネクタイを喜多川がグイ、と引き寄せた
*
「お前うぜぇから、どーせ俺が何言おうが聞かねぇだろ」
「……もっと他の言い方してよ」
「うるせぇ、馬鹿眼鏡」
言葉とは裏腹に→
「黄泉の国って知ってるか?午前0時に鏡の前に立つと死人が手招きして引きずり込むんだとよ」
「…なんだそれ?」
水季の事をバカにしているわけではない、むしろ幽霊がいるなら会いたい
俺を育ててくれた老夫婦と、両親に……会いたい
*
酷く嫌悪するもので眉を寄せた
「人間のにおいがする」
男はくつくつと嗤いながら、俺にナイフを走らせる。
とっさに避けて、相手の小手を狙って、ナイフを取り落とさせようとする。
だけど、ゆりかちゃんを庇っているし、部室が狭くて動きにくい。
どうしようかと一瞬迷っていると、次の瞬間、ドアの開く派手な音がした。
「………!」
半ば呆けた頭で、もういいよ、って認めてた。
俺はアキに欲情してるらしい。
**
想像の中のアキが、俺を受け入れて、甘くてエロい声を上げて。目の淵を赤くして、『慶……もっと、もっと……』って俺を上目づかいに見上げたところを想像した瞬間。
「っ…アキ………」
一瞬声が漏れてしまう。
「おい飛び降りる気か!? さすがにヤバいだろーが!」
ふっと自然な笑みが浮かんだ。こいつ、案外、悪いヤツじゃねーかもな。
俺が窓から飛び降りるのを防ごうと駆け寄ってくる赤髪を、ぎりぎりまで引き付ける。
そして、俺はその手が届く直前に、跳んだ。
――後ろへ。