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「さようなら」
ユウによって落とされた火種は、時間をかけて城を包み込んでいく。城と共に、彼女も、彼女の大切な思い出も、全て灰となるだろう。
「......呼んだのが私で良かったね。女王様」
彼女は怒声を上げ、思い切り武器を振りかぶった。最後に嫌われちゃったかな、と思いながら目を閉じる。大きな打撃音が頭に響いた後、意識はぐにゃりと曲がって戻らなくなった。
二回も切られては流石に限界なのか、臓器がでろんと飛び出てきた。空いた手で傷口を抑えはするが、正直に言って傷口の大きさから片手だけでは焼け石に水だ。
「君は……案外趣味、悪いんだね……。」
「あ、はっ……レストインピースってね!……最高に気分がいいわ」
その瞬間、目の前の剣が真っ二つに裂けた。
いや、目の前のハサミが、獲物を切り裂くために口を開けた。
「……あ、」
思わず情けない声が出る。しまった、そう思った時にはもう遅く、ハサミは私の腹を深く切り裂きながら口を閉じた。
「サ、フォークさん...ごめ、なさい...。許さ、なくても...いい、ですよ」
そのまま鋏を振り下ろす。
「あ゛っ............」
ユウの裁ち鋏でサフォークの左胸が紅く染まる。
「かっ....ひゅぅ....はぁ....ぁ......」
少しの間浅い息を繰り返していたがピタリと動かなくなった。
銃を取られてしまえば、ユウに勝ち目は無くなる。すぐに鋏を握り直し、走り出したその背中に思い切り突き立てる。
鋏がサフォークの背中に突き刺さる。それは、サフォークの腕が銃へ届いたのと同じタイミングだった。
「あ゛ぁあっ!!....ぅ、よくも!!!!」
「ち、違う!!!私じゃない!!!これは私じゃなくて、その、えっと...」
サフォークが近付くのに合わせて後退り、ユウは相手を見つめる。背後には壁があり、自身が不利な状況へ追い込まれていることを嫌でも感じる。サフォークはこのままユウを狩るつもりだ。
「私はこんな事、本当は...」
ならば彼女が起きてしまう前に終わらせてしまおう、と剣を振りかぶった。刹那、
「ッ…!?」
突如瞳に向かって鋏の刃が一直線に飛び込んできた。既のところで横に避けはしたが、頬にぴりとした痛みが走り、続けて生暖かい液体が流れていく。