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鋏から目を離しゆっくりと顔を上げる。彼女の美しい快晴を写したような瞳は涙に濡れ、恐怖からかしゃくり上げるような息遣いが耳に入った。
「ッあ、ご、ごめんなさ…」
哀願するように彼女は謝罪を述べる。無垢な少女にこれほどのことを言わせてしまったことに罪悪感が募る。
彼女に持ち上げられて移動させられたらしいが、意図が掴めない。クエスチョンマークが頭を支配している最中、私に向かって彼女が声をかけてきた。
「じゃーん!!……あぁ、見える?」
ぐ、と涙を拭われ、視界がクリアになると同時に見えたものは、彼女が持っているものは……切断された、足。
汗も血も流れて来た。髪を留めていたリボンも知らない内に外れている。考えていると痛みがズキズキと首に文字通り走らせているのだ。皮を破り、肉を裂く音が聞こえる中でも未だ口が勝手に動く。
「私は……この痛みさえも、愛…しい…。」
きっと刃を手で掴みながら目を輝かせ、頬を赤らめて私は笑っているのだろう。彼の表情は逆光で分からない。でも、それでも良い。分からなくても良かった。首を切られている痛みの中口を動かす。
「痛み、苦しみ、妬み、嫉み、罵倒、性交、殺人……全て、愛なのですよ。」
そう言い切る前に目の前の騎士が動く。矢張り動きが早い。既の所で躱し、直ぐに帽子から鎌を出す。先ずは分かりやすい痛み“愛情表現”を与える為に右目を潰し、武器を持つ利き腕を切り落とすと動きが止まる。
「もう、痛いなぁ…。」
血が流れる彼に胸が高鳴る。白い髪に、服に、真っ赤な血が映えた。
己を大事にする心がキミを死地へ追い込んだのだ」
もう言葉も返せぬ遺体にエペは語りかける。……そしてゆっくりと立ち上がった。地に刺した双剣を両手で抜く。
片方の剣からは未だにヨヒラの血が滴っていた。……剣だけではない。エペの顔から、髪から、服から、手の甲からも。