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特撮、アニメ、漫画、ラノベ、ゲームを浅く広く愛するメカオタ。格好いいロボットは正義だ。

今は忙しいから、創作は思い出した様にマイペースで。天安門事件

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涙を雑に拭っていると、水凪さんが笑みを浮かべて声を掛けてきた。

優奈「…ね、狩谷君」

望「は、はい…何でしょうか?」

優奈「恵理達が元気になったら、君も私達のチームに入って欲しいんだ。正直言って、何時になるかは分からないんだけど……どうかな?」

望「僕が、水凪さんのチームに…?」

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望「…っく……う…ぅっ…!」

自分の弱さと醜さに涙が出る。

この人は、ずっと姉さんの為に戦ってくれていたのに。僕は、ただ俯くばかりでいた。何も変えようとしなかった。

優奈「え?ど、どうしたの?えっと、狩谷…君?」

望「だ、大丈夫…です。少し、希望が持てたような、そんな気がして…」

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あの時の絶望は、今でも心に焼き付いて忘れられない。そして、私を立ち直らせてくれた”もう一人の私”も、今はもう居ない。ーーーそれでも。

優奈「でも…それでも、恵理達を助ける方法はあるって分かったから」

望「えっ…!?」

優奈「だから必ず助ける。絶対に、取り戻してみせるよ」

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優奈「…うん。友達で、チームメイトだから。BNDDオンラインでは3人で色々な世界を回って、クエストをやって」

望「……」

優奈「クエストが終わる度に、3人で喜んで。行き着けの喫茶店でケーキを食べて、お話して、勉強して」

「毎日が楽しかったよ。……こんな事になるなんて、思ってなかった」

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恵理の手を取る。すっかり細くなって、少し力を入れたら折れそうな手を。

優奈「ごめんね…守れなくて、ごめんね…恵理……」

涙が流れる。あの時の後悔は、ずっと後悔のままだ。無力感、罪悪感、虚無感。あの時感じた全ては、二度と消える事は無い。

望「……貴方も、悲しいんですか?」

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望「……どうして、こうなってしまったんでしょうね。姉さんは、何も悪くなかったのに」

微かに滲んだ涙を拭う、残された側の…恵理の家族。

あの時、自分の心を押し殺していたご両親とは違う家族の想い。私の心に罪悪感が募る。

優奈「……そう、ですね。志帆も、恵理も、何も悪くなかったのに…」

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病室に入ると、志帆と同じ様な姿で眠り続ける恵理の姿。

優奈「恵理、色々あって久し振りになっちゃった。ごめんね」

志帆と同じ様に声を掛けて、手を消毒してから恵理の頬に触れる。

望「姉さん……随分、痩せてしまったでしょう?事件から、もう半年が過ぎようとしています」

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優奈「あ…はい。私は水凪 優奈。恵理の同級生でチームメイトです」

望「……貴方が」

彼の声が震えた。怒りのような、悲しみのような、複雑な感情がこもった声。

望「……すみません。まずは、姉さんのお見舞いを」

優奈「…ありがとうございます」

彼に促されて、恵理の病室に足を踏み入れる。

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???「あ…」

病室から出て来たのは、男の人だった。お父さんではない。私と同じか、一つ下くらいの歳みたいだった。

優奈「あの…」

???「…姉さんの、お見舞いですか?」

優奈「姉さんって…じゃあ貴方は、恵理の弟さん…?」

???「はい。僕は、狩谷 望(かりや のぞむ)。狩谷 恵理の弟です」

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優奈「……また来るね、志帆。必ず助けるから、待ってて」

自分に言い聞かせる様に、笑顔を作って志帆の手を握る。身体の反射なのか、微かに私の手を握り返す指の動き。

しばらくして志帆の手を離し、私は病室を出る。そして、希望を忘れない様に呟く。

優奈「…まだ、生きてる。二人は助けられる」

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