//=time() ?>
皿の中の金魚が薄暗がりに消えようとしている
雨の音は部屋の中まで入りこみ
耳朶を狂わせる
じめじめとした洗濯物に
どこからか蝸牛がくっついていて
私の運命はどこまで転がって
闇の方へ消えようとしているのかと
嗚呼、絶望とは常に私の隣にあって
ぽっかりと黒々とした牙だらけの口を開いている
春の闇に隠れて跋扈する魑魅魍魎
瞳の裏に映るまなざしはどこまでも暖かく
通りは静けさと寂しさで満たされてゆく
奥ゆかしい少年の心は移ろいやすく
その腕の温もりの中で凍った心は溶けてゆく
ただひたすらに願いと想いを込めて仏間で祈る
ことりと位牌は倒れて
あとは君だけが私を知る
夢のまにまに
夏の終わりには夏の熱を想い出す
灼熱の風が海を渡り私の空の心を満たしてゆく
宿場町には少年のたましひが眠り
青年はただ少年の心の殻を割るために走る
夢の中でのともしびは
来世の光をそっとその躰に宿し
灯篭はほのかに光り家主は団扇で亡くなった心を想い出す
夏とは概念として至高
ただ空は青い