//=time() ?>
夢の後先みたいな朝には
昨日の妖怪が肩にこびりついている
只、ひそやかな古きを語ろう
この町の大人しか知らない秘密を
子供達は囁いている
冷たい朝の水は喉の裏で
地球の行く末を案じている
孤独がゆっくりと腰を上げて
木枯らしに舞う木の葉も
群れを成して飛んでいる渡り鳥も
知らなかったように
人魚の夢を見てから
妙に生臭い物が欲しくなる
遠くの海では蜃気楼が桜色に
煙草の煙をくゆらすと
幽かに娘の顔が見えた気がする
ひとけのない通りに
白菊ばかりが植えられている
夏ばかりが愛おしくて
洗面台の蛍石が人魂のように夜光る
通りでは雲水が
托鉢をしているから
大判焼きの釣りを捧げた冬