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陽炎さんのイラストまとめ


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青空と入道雲

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櫻の花は
妖異を持って
誰かに手折られるのを
待っている
静かに静かに
はらはらと
その時は来る
花弁を踏みしだき
幹をめりりと
怖ろしい鬼とはあなたのことだ
それでも抑えた涙が止まらないのは
やはり私の我儘でしょうか
攫ってゆくからと
春の幻は何時までも瞼の裏で
ゆらゆらと光の揺らめきのよう

5 30

これくらい描ける頃に戻りたい…女の子…

4 37

少年は裏路地を歩く
櫻の花びらが通りを舞い
古いマッチの匣を鞄に忍ばせて
その中に何が這入っているのですか?
ヤモリです
いいえ人の骨
瓦は人の秘密を抱えて黙ったまま
空は青を抱いて眠る、春
あんたは長生きするよ
狐の面の子供が
瓦屋根の上から嗤って言う
たしかその向こうには大きな神社が

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夢の後先みたいな朝には
昨日の妖怪が肩にこびりついている
只、ひそやかな古きを語ろう
この町の大人しか知らない秘密を
子供達は囁いている
冷たい朝の水は喉の裏で
地球の行く末を案じている
孤独がゆっくりと腰を上げて
木枯らしに舞う木の葉も
群れを成して飛んでいる渡り鳥も
知らなかったように

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人魚の夢を見てから
妙に生臭い物が欲しくなる
遠くの海では蜃気楼が桜色に
煙草の煙をくゆらすと
幽かに娘の顔が見えた気がする
ひとけのない通りに
白菊ばかりが植えられている
夏ばかりが愛おしくて
洗面台の蛍石が人魂のように夜光る
通りでは雲水が
托鉢をしているから
大判焼きの釣りを捧げた冬

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