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宵闇の部屋の隅
陰翳礼賛
古の呪文を唱えよう
魔術師はそう云って
洗面所に蛍石を置いた
その次の日から
なぜかヒトデが洗面所に棲み
お風呂場の水晶石に
海蛇がくっついている
寝床が蝸牛だらけに
シュルレアリズムのお化けは
鍋の底のナメクジに
塩をかけるなと
今でどろどろに溶けながら
怒っている
君はじゃあねといって
三途の川のほとりへ行ったまま
還って来ない
常世の國
郷愁が窓からシャボン玉を吹いて
夢人が運命論の本を読んでいる
風が袖を引っ張っていた父の小人を
連れ去ってしまって
煙草のケースの中の小骨が笑ってゐる
こんな処に居たの?
と水頭症の子供が
美しい玻璃を愛でている