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線香花火の最後の一滴が
闇に吸い込まれてゆく
暗がりの中で息をしている生き物は
夜の闇が怖くないのか
不意に海のさざ波の音が聞こえた気がして
怖いものが蘇らないように
南無阿弥陀仏と唱えて
只虫の音だけが
私の中を支配する
そろそろと真白の蛇が
足に絡まったような
そんな気がしただけなんだ
側溝の中にボウフラが増えてゆく
外灯がチカチカと点滅を繰り返す
まるで僕の心臓のように
死にそうになっているね
君の横顔はいつも怒っているようで
声をかけるのが怖いよ
今日も夢に出てきて
僕を叱るのかい?
夏は嫌いなんだ
生き物が生き生きとしていて
具合が悪いよ
夢の花に誘われて
枕返しがこっそり恋文を枕の下へ
玩具みたいな金魚の硝子細工を
お百度通いの最後の日に
お賽銭箱の中へ
貴方の姿が煙る桜吹雪の中へ
きっと夢幻
雨に濡れた通りで
桜貝の小瓶を拾いました
壁の鬼の仮面に小さなヒビが
不吉な予感がして
風知鳥が
心の中で厳かに鳴いている