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(5/5)
口に流した赤褐色の酸は女になり
目に見えない砂金は轟々と地熱を求め
形を間違えて溢れ出す。
種から咲かない花の声
誰も行かない丘の向こう
果てはどこにもありません。
(4/5)
ばら色の爪が欲しいと泣いている。
私の五指で水をすくい黄色平原に降り立てば
廃れた泉に銀が燃える。
夜に一番近しい場所で眠るひと、
貝の眼のかわいいひと。
(3/5)
夢見心地の最中に放り出される、
思い出は食いつぶされ
鈍重の身で彼の地へ立たなくてはならない。
意識を手放すまいと眼球の奥を湧き起こす偽の血、
ガラスと私を撫でるあなたの感触で膿み固める。
吹き抜ける高音の風に怯える私はあなたと同じ子どもになる。
西日、どうか囁きかけないで。
(2/5)
見えない外は嵐の中
ここはいつかの緑の園、
海を忘れた地の寝床。
病が砕け胎児は星へ
一つを見れば九つ聞こえ、
殻の紋は溶けてゆき。
無くしたものは返されない。