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最後の陽の光を鮮明に
その毛並みに映しながら
ゆっくりと現れたのは
虎のような凄みと
ネコ科特有のしなやかな
動きを見せる大きな獣でした
匂いをふんふんと嗅ぎながら
「その人」のそばに来ると
品定めするように
「その子」を睨みつけたまま
立ち止まりました
『帰らなきゃ…
かえらなきゃ……』
夜になるよと告げるように
風が冷たさを纏いました
それを合図にしたように
「その子」が意を決して
「今日、楽しかったです
じゃぁ、そろそろ…」
と挨拶を切り出した刹那
威嚇するように近づいてきた
生き物に目を奪われました
@k_ykdm 仔牛のために出してる
ミルクを分けてもらってる
んだから当然協力しますとも!
(右手の手袋は優しさで
外してるだけで塗り間違いじゃ
ないのよ…😅)
きらきら光る水滴に
目を奪われていたのは
どれくらいだったのか
空に星が輝きだしました
「あれは惑星だね」
「その人」は金星や火星が
一等星より強く光ることが
あることなどを話して
くれましたが、ちっとも頭に
入ってきませんでした
そろそろ帰る頃だと告げられた
気がしたからです
井戸ポンプに着くと
「その人」は手伝いを
頼んできましたが
説明とおりにポンプを
押しても何も起こりません
よく見ると蛇口の下には
謎の金具が取り付けられていて
水が出る余地が無さそうです
訝しんでいると突然
水滴が頬を打ち
顔を上げると
はり巡らされた導管から
水が吹き出していました
陽射しがオレンジに変わり
「その子」は家の裏へと
手を引かれて行きました
キィ…ッと、アイアンの
格子扉を開けると
草むらのような、でも
あまり見たことのない植物が
植えられているようでも
ありました
「これはセージ…」
「その人」は思いつくまま
植物の名前を語り出しました
『謝らなくていいと思う』
その言葉は
「その子」の心に、
身体に沁みわたりました
おとぎ話の魔女がかける
魔法の呪文のように
「その人」の言葉で
魔法がかかったように
ほこほことした何かが
湧いてくる気がしたのです
そこはとても綺麗で
ほっこりする空気に
満ちていました
植物が揺れて、
陽だまりのような色合いで
何処からか、ほんのり
いい香りがしました
花のような、少しだけ
スパイスが効いてるような
でもエキゾチックとも
言えるような
はじめてだけど
良い香りでした