夜、明かりの下でみかは首飾りを眺めました。
あと少しビーズ玉が手に入れば出来上がるのに。
自分のいちごをばかにされたのも悔しくて、なかなか眠ることができません。
みかは、どうすればビーズ玉が手に入るか一生懸命考えました。

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カラスが豪華な壁紙の前で すましこんでこちらを見つめています。頭に真っ赤な特大のいちごをくくりつけて。
「私達の社会では結婚式というと これくらいきちんとするのが当たり前。今年はみかさんのお陰でいちごが大流行で。
黒い羽根に真っ赤ないちご、とても映りがいいでしょう?」

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おひさまがギラギラして暑い日がふえてきました。
みかのイチゴはだんだんつぶが小さくなって、種だらけになりました。
「今日はこれしかないんだけど」
みかが小さいイチゴを見せるとカラスは
「これでは価値がありません」としぶい顔をして言いました。

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うすい色、こゆい色
色々な色のビーズ玉で、みかは首飾りを作りはじめました。少しずつ長くなるのが楽しくて、みかは首飾りに夢中になりました。

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次の日 カラスが持ってきたのは、黄色の透き通ったビーズ玉でした。
手に取ってみると、きらきら光りました。
「これはきれい。 またあったら持って来てよ。」
「では みかさん、おとりひきをしましょう。
 あなたがいちごで 私がビーズ玉。
 これからどうぞよろしく。」

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