アメリカの政治哲学者ロールズは、各人に平等な自由と機会を認めたうえで、その結果として生じる格差は、成功者が社会的に最も恵まれない者の境遇を改善する限りにおいて認められるとしました(公正としての正義)。この主張と、資料文の内容を的確に説明した1が正解です。

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快楽主義の思想を説いたエピクロスは、ロゴス(理性)によって魂が恐れや不安から解放された、永遠に続く快楽(アタラクシア)を理想の境地としました。例えば死も、物質としての肉体のたんなる離散と考えることで、乗り越えようとしたのです。中江兆民にはその影響が見受けられます。

0 6

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」
佐賀藩士であった山本常朝が著書『武士道』に記した言葉。武士の本分は死への不断の覚悟をもって主君に仕えることであると説きました。死を求めたわけではけっしてありません。

2 14

「我必ずしも聖にあらず。彼必ずしも愚にあらず。ともにこれ凡夫なるのみ」
聖徳太子(厩戸王)が制定したとされる十七条憲法にある言葉。人はみな煩悩に苦しむ凡夫である。聖徳太子の深い仏教理解がうかがわれるとともに、凡夫としての平等という人間観が表れています。

0 6

「一切衆生悉有仏性」
平安初期にに天台宗を伝えた最澄が重んじた、『涅槃経』にある言葉。すべての生きとし生ける者には、仏となり得る素質が備わっている。最澄は、素質に違いがあるとする奈良仏教を批判し、仏の教えの本質は一つであると主張しました(法華一乗)。

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「ただ生きるということではなく、善く生きるということ」
プラトンの対話篇『クリトン』に記された、ソクラテスの言葉。ソクラテスは、自らの死刑執行を前にして、魂(プシュケー)に徳(アレテー)を備えた善き生き方の大切さを、友人であるクリトンに語りました。

1 14

「上善なるは水のごとし」
『老子』にある言葉。老子を祖とする道家は、道(タオ)を万物の根源とみなし、道の働きにしたがって何もいなければ(無為)、おのずから上手くいく(自然)と説きました。高きところから低きところへ逆らわず流れる水は、無為自然の象徴と言えます。

0 10

「己に克ちて礼に復るを仁となす」
『論語』にある孔子の言葉。孔子を祖とする儒家の教えの根幹にあるのが、他人を大切に思う気持ちである仁ですが、その仁が言動となって現れたのが礼です。内面では私利私欲を抑え、外面では礼を弁える(復礼)ことで、仁は完成します。

1 6

「先も立ち、われも立つ」
江戸時代に石門心学と呼ばれる商業道徳を説いた石田梅岩の言葉。相手を立て、相手を活かすことによって自らも身を立てることができる。欺くような小賢しい手段で利益を得るのではなく、正直(せいちょく)であることを上方町人に説きました。

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「人間は万物の尺度である」
古代ギリシアのアテネで活躍した代表的なソフィストであるプロタゴラスの言葉。物の見方は人によって異なるので、絶対的な真理などないとプロタゴラスでした。こうした相対主義を乗りこえ、魂がそなえるべき徳(アレテー)を探究したのがソクラテスでした。

0 4

「自己の個性の発展を仕遂げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならない」
夏目漱石が『私の個人主義』で述べた言葉。漱石は、他人本位から己のの内面的欲求に従う自己本位への転換を求めましたが、それは他人を否定するエゴイズムではけっしてありませんでした。

0 8

「教育とは、過去の価値の伝達ではなく、未来の新しい価値の創造である」
プラグマティズムの思想家デューイが著書『民主主義と教育』に記した言葉。デューイは、現実の問題を解決しながら未来への見通しを立てる知性を創造的知性と呼び、これを実践的に育む場として学校を重視しました。

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「一切衆生悉有仏性」
平安初期に日本に天台宗を伝えた最澄が重視した、『涅槃経』の言葉。南都六宗の僧侶が仏になれるかどうかはその人の素質によるとしたのに対し、最澄は、生きとし生けるものにはすべて仏となりうる本性が具わっていると説きました。

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「生命への畏敬」
アフリカの各地で医療活動に努めたフランス人医師シュヴァイツァーが、主著『文化と倫理』で提唱した概念。すべての生命には等しく価値がある。そのことを認識できるのは理性をもつ人間のみであり、そこにこそ倫理の根拠はあります。

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「四苦八苦」
仏教では人生を苦しみと捉えます。それを数え上げたのが「四苦八苦」です。生・老・病・死で「四苦」、これに愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を加えて「八苦」です。苦しみは煩悩から生じます。我執を断つことで涅槃寂静の境地に至れるのです。

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政府や自治体のコロナ対策を見るにつけ、どうしてこの国では科学的な知見が軽視されるのかを考えていて、ふと、和辻哲郎が提唱した「文化の三類型」が手がかりになるのかなと思いました。(続く)

1 12

「天上天下唯我独尊」
ブッダが生まれた直後に述べたとされる言葉。誤解されることが多いですが、本来の意味は、「この世に生まれ落ちたすべての衆生は、代わりのきかない存在として何を加えることなく尊い」です。自分だけが正しいと自惚れる者には、奈落の底が待っています。

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「われわれは言わば二度生まれる。一度目は存在するために。二度目は生きるために。一度目は人類の一員として。二度目は男性として、女性として」
ルソーが『エミール』に記した言葉。ルソーは青年期を、性的な自我に目覚め、精神的な「第二の誕生」を迎える時期と捉えました。

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「人は生まれによって尊いのでもなければ卑しいのでもない。その行いによって尊くもなり卑しくもなる」
最古の仏教聖典である『スッタニパータ』にあるブッダの言葉。運命はその人の行為(カルマ)によって決まり(因果応報)、その報いは自らが受けるのです(自業自得)。

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