雪しんしん
昔語りのやまぬよは
主さん泊まってゆきやんせ

     

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貴方といると小娘に戻ってしまう。うろたえたり情けなくなったり泣きたくなる。折り紙の端と端をきちんと合わせていくような恋しか知らないまま、貴方のようなひとと出会ってしまった。今はただ梅の香に身をゆだねるばかり。#三行物語

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初めて出会った時、なにかに似ていると思った。絵の前で立ち止まって目を見開いて息をのむ表情が。身を固くしてなにかをこらえているような。闇夜にぴたりと貼りついて、ただ風が吹く瞬間を待っているような。今わかった。あなたは、夜桜。#創作  

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無骨な手が珈琲を淹れているあいだ、オイルライターで遊ぶ。音と熱と匂い。腕時計は重くてひんやり冷たい。私もひとりでバザールを歩きたい。異国のタバコの香りがつれてくる土曜日の朝

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