10月は二紀展や独立展も開催され、まさに芸術の秋。こちらの図の人々は戸外で掛軸や巻物を鑑賞しています(狩野探信《絵鑑》の琴棋書画より)。秋はまた、虫干しの時期。美術館開設以前は、よく晴れた日に掛軸を蔵から運び出し、座敷にずらりと掛けて風を通したそうです。

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江戸時代後期の絵師 は京都丹波の農家の生まれ。奉公先の寺を抜け出し、山を駆け巡っていたとか。少年の目でとらえた自然の風景は後の画風にも生かされました。
余白の味わいが光る秋の景色に対し、食欲満載の我が家の栗。選別に汗をかくほどの豊作です。#松岡美術館

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日本画家・竹内栖鳳は、生涯で数多くの動物画を描き残しています。彼の描写力は、動物の匂いまで描くと言われるほどで評価されました。所蔵品の《涼蔭》(1926年頃)では、日本猿が木の幹に腰掛け涼を取っている、その横顔は優しく触れれば温もりをも感じられそうです。#松岡美術館

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藤屋の若旦那 伊左衛門と夕霧太夫を描いた 》版画。勘当され一文無しになった伊左衛門は、夕霧の送った恋文で継いだ (かみこ)を着ています。昨年暮れに京都・南座の顔見世興行で、2人を題材にした「 」が上演されました。

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新緑輝く季節、柳の若葉が柔らかにそよぐさまには解放感がありますね。柳は今日の誕生花の一つなので、《東叡帖》より「柳と五位鷺」。鳥はじっと下方を凝視し、今にも飛び立ちそう。作者は明治から昭和にかけて活躍した 。同様の構図で1936年頃にも描いています。

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